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静岡才能人を更新しました。(11/11)

効率よりも、お客様の立場に立ち、本当に安全で安心なものを提供する。それが快感でもあります。

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トップページ > 静岡才能人 > 和菓子職人“川井誠太郎さん”

‐添加物をやめて、原材料にこだわっていらっしゃるんですね。

写真:山形産ヒメノモチ買う側の立場に立って、自分だったら、口にしたくない原材料の使用をやめようと思いました。

それで、5~6年前から、売り方を変えたんです。
それまで使用していた添加物はやめて、効率ではなく、安全で安心なお菓子を提供しよう、と。

大きなお店ではなかなか出来ない、ウチのような小さなお店だからこそできることをやろうと思いました。

素材も国産の出来る限り減農薬のものを色々試して、残留農薬もないものを選んで今の味にたどり着きました。小麦粉ひとつ変わるだけで、味は全然違います。安くやろうと思えばいくらでも出来るけど、怖くて使えないです。

‐これまでの製造工程を一新されて、気づかれたことはありますか。

良いことだけど売りにくい…効率と安全性、その2つの狭間でジレンマに陥りました。
日持ちはしないし、すぐ固くなる、色は悪くなる。コストも手間もかかる。
添加物を使わないと作れなくなるお菓子もありましたが、使わないと出来ないような菓子なら作らない、と切り捨てました。

‐そうすると、売上が減るわけですよね。

写真:どら焼きそうですね。正直、当初は離れていくお客様もいらっしゃいました。「日持ちしないの?」「その場で焼くのを待つの?」って。
お客様にしてみたら非常に不便だったと思います。

やっぱり商売ですからね、不安になりましたよ。
売り方を変えるのは本当に勇気がいりました。

でも、そんなことは二の次三の次。

効率よりもお客様の立場で安心して食べられるものが出せない方が嫌だと思いました。
添加物をやめ、素材も農薬が極力少ない国産のものを使う。
当然、日持ちが悪くなるので、作り置きはできない。となると手間はかかるけど、どら焼きはその日に売る分だけを毎朝焼いて、お団子は、注文を受けてから焼くことにしました。

‐お客様の反応はいかがですか。

写真:団子を焼く川井誠太郎さん 少し時間がかかりましたが、「日持ちがしなくても、安全でつくりたてが美味しい」、「焼き時間を待つだけの価値がある」と、離れていったお客様も徐々に戻ってきてくれるようになりました。

うれしかったのは「アレルギーだったのに、ここのお菓子は大丈夫でした」というお声を頂いたことです。

変な話、儲からなくてもいいかなぁ、って思うこともあります。本当に安全で安心なものを提供できれば。それが快感でもあります(笑)。
わかって下さる方がいらっしゃって、家族経営だからできる話なんですけどね。


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