トップページ > 静岡才能人 > 和菓子職人“川井誠太郎さん”
‐子ども達に和菓子作りを教えてらっしゃるそうですね。
そうなんです。私が子どもの頃にあった甘納豆の工場がなくなって、社会科見学もなくなったんですけど、2~3年前からまた再開することになりました。
1クラス単位で、ここの厨房に呼んだり、逆に私たちが幼稚園や小学校へ出向いて和菓子作り教室をしたりしています。
きっかけは、毎月お菓子の日に、近所の幼稚園にお菓子をプレゼントしていて、そのうち先生から見学に来たいとお話を頂いて行うようになりました。その後、近くの小学校の生涯学習の一環として、小学生にも来てもらうようになって。
さらにウチからの申し出で、学校にも伺うようになりました。
‐子ども達の反応はいかがですか。
目を輝かせて、キラッキラさせてますよ。
食べ物だから食いつきも良いんですけどね(笑)
普通、大きいお菓子屋さんの見学っていうと、どうしてもガラス張りじゃないですか。遠くから見るだけの。でも、ウチは小さいのでそれが間近で見られることと、砂糖や粉、豆などの素材がだんごやまんじゅうになるということを体験できるのが不思議で面白いみたいで、子どもの心を掴んでますね。
工業製品ではない、お菓子ってこういう風に出来るんだよっていうのを、直接、目や肌、耳、嗅覚、味覚、五感で感じられるのが良いみたいですね。粉が舞ったり、手が真っ白になったり、蒸気が出たりね。最後、できたての熱いおまんじゅうを食べるんですけど、「こんな美味しいの食べたことない」って言って喜んでくれます。最後は「味覚」で締める、というね。
‐親御さんの反応はいかがですか?
実は子どもさんよりも、親御さんの反応の方が良いんですよ。学校であったことを興味深く話すからでしょうかね。それが嬉しいみたいです。
「子供にねだられて来ました」と困りながらも、嬉しそうなお母さんや子どもだけでお店に遊びに来てくれたりして。
見学の日の夕方には2~3組は来ますね。この店はコンビニみたいに入りやすい訳じゃないけど、敷居が下がるのか、その後もよく遊びに来てくれます。とてもうれしいです。
子ども達からもお手紙を頂くんですけど、それにひとりひとり返事を書くんですね。手加減せずに漢字も使って。そうすると、親御さんがものすごく喜んで下さって。「まだあの手紙持ってますよ」なんて言ってくれたりして、本当にうれしいです。
‐実際やってみていかがですか?
大変です(笑)。特に学校に行くと疲れます。
子どもってパワフルでテンション高いから、2時間やるとエネルギー吸い取られてクタクタなんですよ。
ホント、学校の先生がどれだけ大変かと思います。
だけどね、とても面白いんですよ。教壇に立つ夢っていうか「先生ごっこ」みたいな感じで。
最初のつかみを得るために、紙芝居も用意したりして!楽しくて仕方ないです。
もうウチがやりたくてやってる、楽しんでやってるので、呼ばれたら、どこへでも行きますよ。一緒に行ってる親父なんて、元々寡黙な職人で人の輪の中が苦手だったんですけど、子ども達に大人気でね。今ではすっかりカリスマ講師ですよ。
‐子どもたちや親御さんにお伝えしたいことはありますか?
食品添加物で、いちばん怖いことは、子ども達の舌が壊れていくことなんです。
慣れてしまうと、おにぎり一つでもお米本来の味がわからなくなっちゃう、味がしないって思うようになっちゃう。それは辛いことです。
だから、手に取った食べものが必ず安全で安心でなければならないと思うんです。
子ども達に安心して食べてもらえる、お母さんが子どもさんに安心して食べさせてあげられる和菓子を作ることが私たちのできることかなと思っています。
‐ありがとうございました。
マルカワ製菓株式会社
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http://www.marukawaseika.com/
川井誠太郎さんの菓子作りを映像でごらんいただけます。
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