トップページ > 静岡才能人 > 一級建築士・色彩心理診断士“栗山恵さん”
‐栗山さんの活動は、建築にとどまらないようですね。
私の夢は「笑顔があふれる家族を増やす」ことなんですね。そのためのプロジェクトとして「カラーさぷり」を地域で活用して頂けるよう普及活動をしています。
家を建てる建てないにかかわらず、一緒に住んでいるご家族が今何をどんな風に感じているのか、見つめ直してほしいと思っています。
特に子どもは言いたいことが言えない弱者です。淋しくても、もっと甘えたくても我慢をしていることがほとんどです。その今の気持ちが色を塗ることで表現されるので、お母さん達に知って欲しくて親子でのワークショップも行っています。
かつての自分がそうでしたから余計にそう思います。
‐幼稚園や小中学校での講演も行っているんですね。
そうですね。お呼び頂くことが増えました。
講演と言っても、私の体験談やなぜこういう活動をしているのかという経緯に加えて、実際に色を塗って頂き、色の持つ意味と家族の絆についてお伝えしています。
‐お子さん、お父さんお母さん達の反応はいかがですか?
子ども達は単純に「楽しかった」とか「面白かった」と言っていますね。
父兄の皆さんは、子どものぬりえを手伝う以外に色鉛筆を持ったのが10年~20数年ぶりという方がほとんどなんです。
普段、自分のために色塗りをすることがないので、無心に塗る作業や色の力で楽しく癒されていらっしゃるようですね。「スッキリした」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
あとは、その色や塗り方で、「今、こんな気持ちじゃないですか?」とお話しすると「何でわかるの?!」と驚かれます。自分の気持ちを知って、私に話を聞いてもらって良かったという方が多いですね。
‐自分の気持ちに向き合う良いきっかけになりますね。
特に親御さんは忙しくてなかなかそういう時間を取ることさえ難しいので、色を塗るだけでもホッとできますし、自分やパートナー、子どもの気持ちに気づくことで自分、お互いを見つめ直し絆が深まればと思っています。
‐他に行っている活動があれば教えていただけますか?
私は、「三代続く住まいづくり」を目指しているんです。家は、結婚して子どもが生まれて、その子どもが成人して巣立っていき、また戻って来て世代交代がある…そうしてどんどんつながっていくものだと考えています。
そして、その家を建てる木は、おじいちゃんから孫まで三代かけて育てられ、やっと伐採され、住宅に使われます。本来なら180年持つものなのですが、30年ほどで建て替えてしまうお宅も少なくありません。
‐180年も持つものなんですね!
きちんと建てれば持つと言われています。それを建て替えていくのは資源の無駄であるし、同時に、つながるはずの家族の「思い」も断ち切られてしまう気がしています。
そんな木の大切さを伝えようと、毎年夏に「木こりになりに森へ行こう」ツアーを行っています。森林組合の皆さまにご協力頂いて、木がどんな風に育ってどんな風に建材になっていくのか?を親子に観ていただき森を体験してもらっています。
森は本当に気持ちがよくて、毎年感動していますが、皆さんにもその体験を通して、木を大切にしてくれたら良いなと思っています。
‐最後になりますが、今後の展望をお聞かせください。
建築の現場にとどまらず、親子や夫婦、嫁姑、家族の絆を深めるために、また自身の心の栄養剤になるよう、様々な所で癒しが必要だと実感しています。
色彩がその一助となればと思い、私が行っているカラーさぷりの手法を学びたい方、学んだ方も増えてきましたので、この春「色彩心理診断士協会」を立ち上げました。
今まで通り、保育園や幼稚園、小中学校などはもちろん、企業でもお役立て頂けるよう、体系づけていきます。診断士にも活躍の場をたくさん与えられるよう、行政や地域と連携を取っていきたいと思っています。
そして、家族のベースである住まいを創ることを通じて
、もっともっと「笑顔があふれる家族が増える」活動を続けていきたいと思っています。
‐素敵なお話をありがとうございました。
栗山さんに関するサイトをご覧頂けます。
栗山さんの一級建築士事務所「アトリエWALK」
http://www.atelier-walk.com/
静岡市で3/31(木)~4/5(火)栗山恵の“住まいと色彩心理”展」が行われます。
http://press.eshizuoka.jp/e719401.html